明日

突然、明日が見えなくなる不安。
足下の頑丈だと思っていた石の橋が
急にひび割れだすような愕然とする恐怖。

今まで、14年間。
ずっと同じ会社で、
のほほんと与えられる仕事を懸命にやりこなす事で
明日の不安なく毎日を過ごしてきた事に
改めてありがたかったのだと思う出来事が起きた。

通常は週休2日(土日)の我が社だが、
土日に仕事が入ってくる為に平日に代休をとるシステム。
仕事がたまり、週に1度休めたらいい方なのだが
少し、時間が出来て平日に2日間代休をとる事が出来た。
その、代休中の出来事。

欠席裁判がまた、起こったのです。

休み前に、とても簡単で初歩的な仕事が入りました。
私が請け負えばとてもとても簡単な仕事です。
しかし、入社1年のドラミちゃんに、仕事を覚えてもらう為、
この仕事を依頼することにしました。

私 「この仕事はドラミちゃん。よろしく。」
ドラミ 「・・・・・」

多分、無視した訳ではないのでしょう。
急ぎの仕事が入っていて集中していたのでしょう。

でも、心の小さい私には少しイラつく態度でした。

少し、イラつきながらもう一度依頼します。

私「ドラミちゃん。聞いてるの?今、仕事の依頼してるんだけど。自分以外の担当だから『私は関係ない』って顔しないで。」

ドラミ「今、急いでやる事があって、聞いてたんですけど、、、、(ぼそぼそ、、、)。」

私「私が行けば簡単な仕事だけど、あなたはこれからいろいろと覚えていかなくてはいけないでしょ?こういう小さい事をこなしていかないと、大きな仕事を任せられないでしょ。あなたにとって大事な事じゃないの?」

ドラミ「・・・・・すみません。」

急にドラミちゃんがばたばた資料を探し出します。

私「なにを探してるの?段取りわかってるの?」

ドラミ「A資料を見て金額確認を・・・。」

私「A資料よりB資料のほうが重要なのよ。結局、段取りもわかってないじゃない。説明するので覚えて。」

そして段取りを伝え、何をすべきか伝えました。

ドラミ「・・・・・・・。」

私「わかったの?」

ドラミ「・・・・はい。」


失敗してもいいから自分でどうしたらいいのか考えて、
やらせてみる事にしました。
まず、自分でやり進めていく事で、疑問も出てくるだろうと思い
彼女をそのままにして、私は会社を後にしました。
私はそのまま2連休に入りました。
ドラミちゃんからは、連休後に報告を聞こうと思っていたのです。
しかし、彼女にとってそんな私が無責任だと思ったのでしょう。
仕事を押し付けられたとしか思えなかったのでしょう。

どうやらその後、彼女は急に泣き出したそうです。
その場には社長が居ました。
泣いた彼女に社長は同情したのでしょう。

実は、私が統括している仕事の中で、売り上げノルマがあるのですが、
ドラミちゃんの担当分は、とても売り上げが低く
その事で、「しっかり売るように」とプレッシャーをかけていました。
それでも、努力する気配がありません。
あーだこーだと売り上げが上がるように言ってきたのですが
右から左へ流しているだけ。
売り上げが低い事にしょんぼりはしても、改善努力を全くしない。
実際、そんな彼女に対し、イライラしていたのは事実です。

ココからは社長からの話。

社長「誰からとは言いませんが、会社を辞めたいと言ってきた人がいます。理由は、あなたについていけないからだそうです。これで、何人があなたを怖いという理由で辞めていきましたか?社外からもあなたは怖い人だと評判になっています。新しい人が入らないのはあなたのせいです。」

私「私は、今までのやり方が間違っているとは思いません。しかし、言い方に問題があったのでしょう。私はこの会社の為にと思って言ってきたのですが、結果として退職者が私のせいだと言う事であるなら、私はこの会社に残るべきではないのでしょう。辞めるのは私のほうです。申し訳ありませんでした。」

社長「私は、辞めて欲しくてこんな話をしたのではないのよ。」

私「いいえ。社長や会社の評判に悪い印象を与えてしまったのであれば、私はこの会社にいるべき人間ではないでしょう。御迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。長い間お世話になりました。。。」

ここで、私は思わず泣いてしまいました。
今まで、会社の為にと思ってきた事が、こんな形になってしまった事の情けなさ。
自分の感情がコントロールできずに態度であらわしてしまった事が、このような結果になった悔しさ。
自分の未熟さと未来への不安。
はりつめていた糸が一気に切れた喪失感。
今まで、ぬるま湯に浸かっていた私は、本当に始めて世間の怖さを知りました。

この土日は前から入っていた仕事がある。
しかし、来週から少しリフレッシュ休暇をとりながら
今後の事をもう一度考えて欲しい。と
フリーで働くとしても、きちんとバックアップはしてくれる。と
リフレッシュ休暇をとって、気持きりかえて戻ってこればいい。と
今後、形は変わるにしても、一緒に仕事はしていきたいんだ。と
そう、社長は仰ってくれました。

今日、急に
人生の転機が来たのだろう。
予想よりも早く、突然に。

やっぱり、ショックだし、どうしていいのかわからないのも事実なので
しばらく、泣いて過ごすかもしれないけど
絶対に、好転にかえていきたい。

人生は、本当に明日何が起きるかわからない。
そして、明日はなにが起きるのだろう。

それでも、私は歩いていく。人に頼る事なく、自分の足で。

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